「がんばれホルモン」TSH、その読み方とは?
こんにちはこんばんは♪ 編集/ライターの蓮見則子です。
なんとなく疲れが抜けない。
むくむ。
気分が重い。
でも「どこも悪くない」と言われる。検査でも「異常なし」。
そんなとき、体の中で誰かがこう叫んでいるかもしれません。
「もっと出して〜!」
今日は、その“叫び声”の正体、TSH(ティーエスエイチ)の話です。
みなさんは、TSHを測ったこと、ありますか?
■TSHは「がんばれホルモン」
「TSH(甲状腺刺激ホルモン)」とは、脳(下垂体)から甲状腺に出されるホルモン。
甲状腺に向かって「さあ、甲状腺ホルモンを作って」と指令を出しています。
だから。
TSHの値が高いということは…
= 「もっとがんばって甲状腺ホルモン出して!」と強く言っている
= 体は甲状腺ホルモンが少し足りないと感じている可能性
TSHが低いなら…
= 「もう十分だよ、甲陽線ホルモンOK」という意味
= 体内の甲状腺ホルモンが足りている、または多め
TSHはホルモンの“量”そのものではなく、甲状腺ホルモンへの“要求量”。
ここがわかると、数字の見え方が変わります。
■基準値という名の「平均」
TSHの基準値は
0.61〜4.23 mIU/L
(出典:『女性ホルモンよりパワフル!甲状腺ホルモンの底力』掲載データより)
*基準値は医療機関や検査機関によって多少異なります。
でも、これは「病気と診断するための線引き」。
本の監修、この会のメンバーでもある甲状腺専門医の山内泰介先生がよく言っていました。
「数値は平均値。個人の正常域はもっと狭いもの」
基準値内=自分にとって最適
とは限らない。ここが、意外と知られていません。

■私のTSH、ここ数年の動き
私自身の場合。年に1度受けている婦人科検診の検査項目に「TSH」が入っています。
2020年 1.37
2021年 1.11
2022年 1.71
2023年 1.06
2024年 2.22
2025年 2.02
基準値の0.61〜4.23 からすると、ずっと正常。ちなみに甲状腺ホルモンそのもの(FT4)の数値も、基準値内で安定しています。
でも!
1.0mIU/L台が続いていた数年前までと、2mIU/L前後で推移している現在とでは、「指令の声」は少し違うのだろうなと思います。
特に不定愁訴があるわけではないけれど、こういう推移や微妙な変化こそ頭の片隅に入れておかなければ…。
■TSH 2.5という目安
さらに基準値に関して。
女性診療の現場では「TSHは、できれば2.5以下に抑えておきたい」と考える医師もいます。
たとえ基準値内であっても、不定愁訴が続く女性は「TSHを整えることで症状が軽くなる」という例が多いからだそうです。
もちろん、すべての人に当てはまるわけではありません。統一ガイドラインでもありません。
でも「基準値内だから大丈夫。関係ない」とは言い切れない。その視点は大切だなと感じています。
■女性ホルモンだけでは足りない
40代以降は、不調があると、まず女性ホルモンを疑う。それはとてもいい傾向です。
ただ、代謝を回しているのは甲状腺ホルモン。
体温の調節
エネルギー産生
脂質・糖質代謝
気分の安定
そう!まさに「元気の源」。
「元気の源・甲状腺を考える会」というこの会の名前も、そこから生まれました。
派手ではないけれど、静かに体を回している甲状腺ホルモン。だから、女性ホルモンだけでなくこちらにも注目してほしいんです。
■数字は診断基準ではなく、ヒント
TSHが高い=すぐ病気
ではありません。
でも、体からのサインかもしれない。
その声が少し大きくなっていないかな?ときどき立ち止まって、自分の数字を見てみる。
それだけで、体との向き合い方は変わると思っています。
■甲状腺ホルモンをもっと深く知りたくなった方へ
甲状腺ホルモンのしくみや、FT3・FT4・TSHの見方については、『女性ホルモンよりパワフル!甲状腺ホルモンの底力』で、わかりやすく解説しています。
女性ホルモンだけが原因、と決めつけないための視点。その続きは、ぜひ本のページでどうぞ。

【関連リンク】
・Subclinical hypothyroidism and quality of life
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8485310/
・TSH levels within the normal range and risk of mortality
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36419168/
(※治療や数値の判断は必ず医師と相談してください)
