甲状腺ノート

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秋冬に不足しやすいビタミンD― 気分の落ち込み・骨や筋肉の弱り・甲状腺ホルモンとの関係

甲状腺ホルモンとビタミンDの関係について

こんにちは。管理栄養士のAcco MUKAWAです。

この夏は酷暑が続きましたが、ようやく涼しくなり、ほっとしたものの、何だか気分が落ち込みやすくなったと感じる方もいるのではないでしょうか?これから日差しが弱まる秋から冬にかけて、特に不足しやすくなる栄養素のひとつが「ビタミンD」です。近年では、骨や筋肉だけでなく、免疫機能や気分の安定にも関わることが注目されています。さらに、私たちの元気を支える甲状腺ホルモンとも深い関わりがあります。この記事では、秋冬に意識したいビタミンD不足の影響と、その効果的な取り入れ方について解説します。

甲状腺ホルモンとビタミンDのつながり

甲状腺ホルモンは代謝や体温調整、日々の活力に欠かせないホルモンです。ビタミンDも体内でホルモンのように働き、具体的なメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、甲状腺ホルモンとバランスを取りながら、骨代謝・筋力維持・免疫機能をはじめ、さまざまな調整を行っています。つまり、両者がうまく連携することで、私たちの元気が守られているのです。

ビタミンD不足が招く不調

秋冬はビタミンDが不足しやすくなりますが、不足すると次のような体調不良を引き起こす恐れがあります。

  • 免疫機能の低下:いわゆる「免疫力」が下がり、風邪やインフルエンザにかかりやすくなる
  • 骨代謝や筋力の低下:骨粗鬆症や骨折のリスクが上昇し、筋力も衰えやすくなる
  • 気分の落ち込み:抑うつや季節性うつの一因とされる
  • 自己免疫バランスの乱れ:防御機能が過剰または不十分になりやすい

また、不足すると2型糖尿病、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病のリスク増加にも関わることが知られています。さらに、ビタミンDは細胞の分化や増殖、皮膚や腸のバリア機能を維持する役割もあり、一部のがん予防や炎症性疾患の予防にも関与することがわかってきています。

ビタミンDの不足は、甲状腺ホルモンをはじめとする体のエネルギーを調整する仕組みにも影響し、元気を損なう一因となるかもしれません。

ビタミンDを取り入れる方法

ビタミンDは日光浴と食事から取り入れることができます。

1. 日光浴

ビタミンDは皮膚にある7-デヒドロコレステロールから紫外線を受けて合成されます。秋冬は日差しが弱いため、1日15〜30分ほど、顔や手を日光に当てることを意識しましょう。

2. 食事

  • 魚(鮭、イワシ、サンマなど)
  • 卵黄
  • きのこ(干ししいたけなど)

これらを取り入れると、効率よくビタミンD不足を補えます。

3. サプリメント

不足が心配な場合はサプリメントも選択肢です。ただし、過剰摂取は高カルシウム血症を招くリスクがあるため、必ず適量を守ることが大切です。また、疾患(病気)をお持ちの方はビタミンD過剰摂取の副作用を強く受ける恐れがあります。治療中の方は医師に相談しましょう。

ビタミンDと相性のよい栄養素

ビタミンDは他の栄養素と組み合わせることでさまざまな健康効果を発揮します。

  • カルシウム:骨の材料。ビタミンDと一緒で吸収率が高まる(乳製品、小魚など)
  • マグネシウム:ビタミンDを活性型に変えるために必要(ナッツ、緑黄色野菜など)

バランスの良い食生活のなかで、これらの栄養素も意識して取り入れましょう。

まとめ

ビタミンDは、免疫機能、気分、骨代謝、筋力と、幅広い領域に関わる栄養素です。甲状腺ホルモンへの影響も示唆されており、私たちの「元気」を支える基盤といえます。日々の食事と生活習慣を整え、秋のうちからしっかり蓄えて、冬を健やかに迎えましょう。

参考文献

D活®,「ビタミンD情報が集まるサイト」

https://d-katsu.com

Janoušek J, Pilařová V, Macáková K, Nomura A, Veiga-Matos J, Silva DDD, Remião F, Saso L, Malá-Ládová K, Malý J, Nováková L, Mladěnka P. Vitamin D: sources, physiological role, biokinetics, deficiency, therapeutic use, toxicity, and overview of analytical methods for detection of vitamin D and its metabolites. Crit Rev Clin Lab Sci. 2022 Dec;59(8):517-554. doi: 10.1080/10408363.2022.2070595. Epub 2022 May 16.

Saponaro F, Saba A, Zucchi R. An Update on Vitamin D Metabolism. Int J Mol Sci. 2020 Sep 8;21(18):6573. doi: 10.3390/ijms21186573.

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