甲状腺ノート

NOTE BOOKS

「大げさ」なんかじゃない。バセドウ病を描いた映画『わたしのバタフライ』

バセドウ病を描いた映画『わたしのバタフライ』の上映会場で、チラシを手にする様子

こんにちはこんばんは♪ 編集/ライターの蓮見則子です。

書こう、書こうと思っているうちに、すっかり遅くなってしまいました。

7月、映画『わたしのバタフライ』を、「元気の源・甲状腺を考える会」のメンバーで観に行ってきました。

甲状腺専門医が書いた物語が、映画に!

この映画の原作は、当会会長・山内泰介先生の医療小説『若葉香る――寛解のとき』(現代書林)。

山内先生が、長年にわたって多くの患者さんを診てきた甲状腺専門医としての経験をもとに書いた本です。

でも、原作をそのまま映像化した作品ではありません。

原作では広告関連会社に勤める25歳の女性だった主人公が、映画では29歳のピアニストに。

設定や物語には、大きなアレンジが加えられています。

映画『わたしのバタフライ』の原作、山内泰介著『若葉香る――寛解のとき』

映画の主人公 若葉は、結婚と念願のコンクールを目前に、バセドウ病と診断されます。

思うように動かない体。手の震え。
動悸。焦り。イライラ。変わっていく日常。
家族や周囲の人たちとの関係にも、少しずつ揺らぎが生まれていきます。

バセドウ病を知らない人が観たら、もしかすると、
「そんなに大変なの?」
「ちょっと大げさなんじゃない?」

なんて思う場面もあるかもしれません。

でも、山内先生に聞いたところ、あの症状の描き方は決して大げさではないそうです。

見えないところで、体は働き続けている

バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰になることで、体のあちこちが必要以上に働き続けます。

山内先生は、その状態を「一日中、けんかをして興奮しているようなもの」と表現していました。

手足の震えや多汗、体重減少など、外から見てわかる症状だけではありません。

じっとしていられないような焦燥感や、理由もなく湧き上がるイライラ。
自分でも自分を持て余してしまうようなつらさ。

けれど、それは周囲からは見えにくい。本人の性格や気持ちの問題だと思われてしまうことさえあります。

映画『わたしのバタフライ』の舞台あいさつに登壇した監督、出演者、原作者の山内泰介医師ら
映画『わたしのバタフライ』上映後の舞台あいさつに登壇する山内泰介医師と患者さん

「病気を題材にした物語」だけではない

『わたしのバタフライ』は、そんなバセドウ病の“見えにくいつらさ”を、ひとりの女性の人生を通して描いた映画。

フィクションではあるけれど、主人公・若葉には、実際に多くの患者さんが経験してきた症状や戸惑い、悩みが重ねられています。

映画化にあたっては、山内先生自身が医療監修を務め、治療場面の所作指導などにも関わっています。

私たちが観に行った日の舞台あいさつには、鷲頭祥伍監督や出演者の皆さん、そして山内先生も、クリニックの患者さんと一緒に登壇。

原作者、作り手、演じた人、そして実際に病気を経験した人たちが同じ舞台に立つ姿を見て、この映画が単なる「病気を題材にした物語」ではないことを、改めて感じました。

映画タイトルの「バタフライ」って?

ところで、タイトルの「バタフライ」って何でしょう?

それは甲状腺の形に由来しています。甲状腺は左右に羽を広げた蝶々(バタフライ)のような形をしているんですよ!!

山内先生監修の私たちの本『甲状腺ホルモンの底力』を読んだ方なら、きっとピンときたはず。

本のあちらこちらに、蝶々の形をした甲状腺が出てきます。

単行本「女性ホルモンよりパワフル 甲状腺ホルモンの底力」表紙

今後たくさんの街で、上映されますように

7月の新宿 K’s cinemaでの上映は1週間限定でしたが、その後、今月9月には別府市、北九州市でも上映。

今後、さらに上映の機会が増えていくことを願わずにはいられません。

甲状腺に問題を抱えている人には、もちろん。
家族や友人、職場など、身近に患者さんがいる人にも。

そして、今まで甲状腺のことを考えたことがなかった人にも、観てほしい映画です。

「つらそうに見えない」ことと、「つらくない」ことは同じではありません。
映画を通して知ることで、初めて見えてくるものがあると思います。

映画『わたしのバタフライ』。
上映の機会がありましたら、ぜひ劇場で。

バセドウ病を描いた映画映画「わたしのバタフライ」パンフレット

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