甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症って、どんな病気?

こんにちは。
K&M企画室の関です。
昨年10月に『女性ホルモンよりパワフル! 甲状腺ホルモンの底力』を発刊して、ご好評いただいています。
やっと少しずつ、「甲状腺」という臓器に皆さんが関心を持ってくださるようになってきたのかな?と思っています。
そんな折り、今年の春以降、ニュースで甲状腺という言葉がちょっと話題になりましたね。
3月に歌手・俳優のいしだあゆみさんがお亡くなりになり、その死因が甲状腺機能低下症と報じられました。
また、春には俳優の広末涼子さんが起こした事故との関連で、甲状腺機能亢進症と診断されたとの報道がありました。
どちらも関係者に直接、診断に関する詳細を伺ったわけではないので、ことの真否を判断することはできませんが、日本人に1000万人いるといわれる甲状腺関連のトラブルをもっている方々の関心をひいたことは間違いありません。
そこで、「甲状腺を考える会」の会長でもある甲状腺専門医の山内泰介医師に、この2つの疾患がどういったものか、お伺いしました。
必ず、定期的な検査を!
「一般的には、適切な治療をすれば、それほど怖い病気ではないのですが、放置したまま進行すると、まれに危険な状態に陥ることもあるので、必ず定期的に医療機関による検査を受けることが必要です」と前置きした山内医師による解説は以下。参考になさってください。
甲状腺とは、喉仏の下にあり甲状腺ホルモンを分泌する臓器です。
甲状腺ホルモンは、胎児・小児を成長させ、新陳代謝を促し、交感神経を優位にする働きがあります。
甲状腺ホルモンが多すぎる「甲状腺機能亢進症」
甲状腺機能亢進症になると過剰に甲状腺ホルモンが分泌され、動悸・汗をかきやすい・イライラ感・手指の震え・体重減少などの症状が現れます。
代表的な疾患がバセドウ病で、抗甲状腺薬(飲み薬)・放射線治療・手術で甲状腺ホルモンを正常化させることが治療です。
甲状腺ホルモンが少なすぎる「甲状腺機能低下症」
甲状腺ホルモンの不足が甲状腺機能低下症で、その症状は、疲れやすい・皮膚が乾燥する・やる気がない・便秘・体重増加などです。
橋本病の約3割が甲状腺機能低下症に陥り、甲状腺ホルモン薬の内服で治療します。
重症化すると粘液水腫と呼ばれ意識障害を起こしますが、適切な治療をしていれば死亡することはありません。
本を読んで、もっと甲状腺のことを知ろう!
甲状腺の機能は複雑で、正しく理解するのはなかなか難しいもの。
K&M企画室の甲状腺の本は、漫画やイラストでそのメカニズムをわかりやすく解説。
自分や家族、周りの人の甲状腺のトラブルがどんなものかを把握する知識を得るために、ぜひ、ご覧ください。