【梅雨に体調を崩すのはなぜ?】だるさ・むくみ・やる気が出ない人のための食事対策と甲状腺の関係


こんにちは、管理栄養士のAcco MUKAWAです。
6月も半ばになり、各地で梅雨入りの知らせが届くようになってきました。この時期になると、「なんとなくだるい」「むくみやすい」「頭が重い」「やる気が出ない」など、体や心の不調を感じる人が増えてきます。
このような不調は、いわゆる「梅雨バテ」とも呼ばれ、特に女性や冷えやすい体質の方、小食の方に多く見られる傾向があります。
今回は、梅雨バテが起こる理由と、食生活でできる具体的な対策、そして見逃されやすい「甲状腺ホルモンとの関係」についても解説します。
■ 梅雨に体調を崩しやすくなる理由とは?
梅雨バテは、ただの気分の問題ではなく、気圧や湿度、日照時間の変化などによって体のバランスが崩れることで起こる、生理的な反応です。
1. 気圧の変化で自律神経が乱れる
梅雨は低気圧が続き、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが乱れやすくなります。
その結果、だるさ・頭痛・眠気・集中力の低下などが起きやすくなります。
2. 高湿度で体がむくみやすくなる
湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体内の熱がこもってしまいます。さらに、むくみや消化不良、重だるさが起きやすくなります。
3. 日照不足で気分が落ち込みやすくなる
日照時間が少ない梅雨時期は、体内時計や精神の安定に関わる「セロトニン」の分泌が減りやすく、気分が沈みがちになります。
4. 寒暖差で体温調節が難しくなる
一日の中での寒暖差が大きい日もあり、体がうまく気温に対応できず、自律神経が疲弊しやすくなります。今年は梅雨の合間に夏日が続くため、こういった症状が強く出てしまう方も多いでしょう。
■ 梅雨バテを和らげるための食事の工夫
気圧や天気は変えられませんが、食事の内容や食べ方を工夫することで、体を内側から整えることができます。特に意識したいのは以下の2点です。
【ポイント①】利尿作用のある食材を活用してむくみ対策
余分な水分を排出するために、カリウムが豊富な、ほうれん草やきのこ類、小豆、きゅうり、バナナ、肉、魚などを取り入れましょう。
冷たい飲み物や生野菜を控えめにし、温かい味噌汁やスープでおなかを冷やし過ぎないことも大切です。
【ポイント②】気分の安定とホルモンバランスをサポート
・朝ごはん+朝の光でセロトニンを活性化
前回投稿でも触れましたが、晴れた日には朝日を浴びることと、朝食を食べることは引き続き大切なポイントです。
朝食はパンやおにぎりといった炭水化物だけでなく、セロトニンの材料となるたんぱく質を含む食事を摂りましょう。卵、納豆、魚、乳製品などを食事に取り入れましょう。
・甘いものを控えめにして自律神経を整える
甘いドリンクやスイーツ、白ごはん、麺類などは、糖質の吸収が早く、食後に血糖値スパイク(血糖値の乱高下)を起こしやすくします。これによって自律神経の不調は大きくなってしまいます。ここにエナジードリンクやコーヒーなどのカフェインが加わると、悪影響はさらに大きくなります。甘いものをとると一時的に体調が良くなると感じる方も多いと思いますが、頼り過ぎは次第に逆効果となります。ほどほどにしましょう。
■ 甲状腺ホルモンと梅雨バテの関係にも注意
甲状腺ホルモンの分泌が少ないと、体温や代謝の調整がうまくいかず、その結果、慢性的なだるさ、むくみ、冷え、気分の落ち込みといった梅雨バテの不調が強く出る恐れがあります。
特に、冷え体質の方、小食なのに太りやすい・むくみやすいという方は、甲状腺ホルモンの分泌がやや少ない可能性があります。
こうしたタイプの方は、いつも以上に食事と休養のバランスを意識して、体調の変化を見逃さないように注意しましょう。
■ まとめ:食事でできる“やさしいケア”を習慣に
梅雨は、気候によって自律神経・ホルモン・代謝が揺らぎやすい時期です。
そんな季節だからこそ、体にやさしい食事を取り入れることが、最大のセルフケアになります。体と心を整えて、じめじめ季節も心地よく過ごしましょう。