甲状腺ノート

NOTE BOOKS

私と甲状腺:首に腫れが見つかってびっくり…のその後

こんにちはこんばんは♪ 編集/ライターの蓮見則子です。

このサイトの「メンバー紹介」、各自のプロフィールの下に【私と甲状腺】というコーナーがあります。

その欄に、初めて自分の首に”腫れ”を見つけた時のことをチラッと書いていました。その続き、こちらに書いておこうと思います。

甲状腺の場所は内科の医師でもわからない!?

ある日、首の片側が腫れ、唾を飲み込むのに違和感があることに気がついたのは、この本の監修、甲状腺の専門医 山内康介先生と知り合った後のことです。

山内先生への取材で、甲状腺が腫れているかどうかを自分で触診する方法を聞いていたので、自分でその通りに触ってみて、どうも甲状腺の場所らしいと判断。即「これ、甲状腺が腫れてるんじゃないかな」と思いました。

数日腫れていたうえに微熱もあったのでちょっと心配に。

自宅からいちばん近いのが大学病院だったので、内科を受診すると、先生に「そこは甲状腺じゃないよ、リンパ腺が腫れているだけ」と、ほとんど鼻で笑われてしまいました。

私がとても不安だと連発したため、しぶしぶ血液検査や胸部腹部のレントゲン撮影をしてくれました。その結果、「ほら、やはり甲状腺の数値には問題ない。何らかの原因でリンパ節が一時的に腫れたのだろう」と。

それでも原因を突き止めたい私は、何度かかかったことのある内科医を受診。「これは確かに甲状腺の腫れかもしれないね!」と言われます。

CTスキャンも撮ってもらうと、甲状腺に結節(しこりのようなもの)があるとのこと。甲状腺腫瘍の疑いも考えられるので、精密検査を勧められました。

ほらね!やっぱり甲状腺だ!
待ってました〜!とばかりに、甲状腺専門である山内先生のクリニックへGO! すぐに甲状腺に関係するいろいろな検査をしてくださいました。

結果は…。甲状腺に関係する数値には異常なく、症状もないけれど、甲状腺内に嚢胞はたくさんある(原因は不明)。そして、甲状腺の抗体検査の数値では「橋本病」の抗体があるとのこと。

抗体がある=橋本病さん、コンニチハです。

「発症しないためには、甲状腺を大事にすることですよ。ストレスを溜めないこと、昆布を食べ過ぎないこと。そこに気をつけてくださいね」とすんなりおっしゃる山内先生。経過観察でよいとのことです。

そういうことだったのねー。「橋本病である人は多いが、症状があるのは3割だけ」と、取材で山内先生が言われていた意味がようやくわかりました。それこそ私でした。

健康診断などでは、甲状腺関連の抗体を調べないので、あえて検査すると橋本病の抗体を持つ人はとても多いのではないかと思います。

私の場合は、毎年1回受けている婦人科の総合検診に甲状腺ホルモンの検査も入っているのですが、長年、基準値外だったことは一度もなく、甲状腺のトラブルとは無縁だと思っていました。

大好きな昆布は、ほとんど食べない生活に…

甲状腺はヨード(ヨウ素)からつくられますが、食品からの摂り過ぎは甲状腺のトラブルに直結する。
山内先生への取材でそれを学んでいだ身。ヨードを大量に含む食材は昆布です。

単行本「女性ホルモンよりパワフル! 甲状腺の底力」の中には、健康のために昆布水(細かく刻んだ昆布に水を注いで冷蔵庫で冷やしたもの)を飲み続け、甲状腺機能低下症になっていた人の実例が出てきます。

昆布の食べすぎはヨードの過剰摂取。それが原因で甲状腺機能が一時的に低下してしまうことがあります。

本の中に登場する方は体がだるくて疲れやすい、更年期に似たような症状がありました。

職場の同僚に「甲状腺に異常のある橋本病じゃないの?」と言われなければ、山内クリニックに行って甲状腺ホルモンの検査をすることもなかったに違いありません。

そんな話も山内先生から既に聞いていたので、自分の食生活にもピンと来ました。

実は私、日常的に昆布をものすごくたくさん食べていたのです。

北海道に友人がいるため、だし昆布やとろろ昆布はいつもふんだんにストックがあります。そして、生の切り昆布の煮物が大好きで、うちの常備菜のひとつでした。

冬でなくても、おでんはよく食べる。しかも、おでんと言えば結び昆布! 結び昆布を「これでもか〜」とたくさん作り、うちのおでんにはかなりの量の昆布が入っていました。


1日のヨード(ヨウ素)の摂取量の上限を超えて食べている日はかなりたくさんあったと思います。

そのせいで甲状腺が腫れていたのではないと思いますが、やはり切り昆布の常備菜やおでん昆布とは、しばらくさようならです。

昆布を食べなくても、他の食材からヨードはある程度摂れています。

後から取材を進めてわかったことですが、内臓肉(レバーやハツなど、いわゆるホルモン)にもヨードは意外に多く含まれるそうですが、我が家の食卓にはもつ煮込み、ニラレバ炒め、レバーのさっと煮、砂肝あれこれ…と、内臓肉のオンパレード。それもちょっぴり控えめにしようと思いました。

食べ物から摂取するヨード(ヨウ素)で、甲状腺ホルモンがつくられる…その摩訶不思議な人体のしくみ、「女性ホルモンよりパワフル! 甲状腺の底力」でぜひ知ってくださいね。

ちなみに。この写真は、本の完成を祝ってチーム全員で集まった時のもの(校閲担当の星さんが残念ながら不参加でしたが)。
左から、管理栄養士のAcco MUKAWAさん、編集・ライターの蓮見則子、デザイナーの保科薫さん、山内泰介先生、編集者の関薫さん、イラストレーターのかくたりかこさんです。

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